オルビス株式会社 様

“Pay TGは非対面加盟店の現場に寄り添い、一から設計されたサービス。オペレーターの負担を最小限に、スムーズにカード情報非保持化を実現できるサービスです”

カード情報非保持化サービス
CRM・顧客満足推進部 部長 橋本 祥永 氏

オルビス株式会社では、電話等、非対面でのクレジットカードによる受注処理にPay TGを導入しています。改正割賦販売法のカードセキュリティに関する議論にも深く関わった同社CRM・顧客満足推進部部長の橋本祥永氏に、Pay TG導入のきっかけやメリットについてお聞きしました。

導入事例のPOINT
  • コールセンターで働くオペレーターに優しいサービス設計
  • お客さまの声を取り入れ、反映させることができる自社開発体制
  • 通信販売業界のセキュリティ向上へ一緒に取り組んでいくパートナー

オルビス株式会社の事業について

オルビス株式会社は、創業以来、30年以上にわたり化粧品・スキンケア・栄養補助食品の通販事業を手掛けてきました。今や当たり前となっている「通販」ですが、創業当時より、商品を見ずにお買い物をするということが当たり前でなかった時代に、「通販で商品を買う」価値を提供するなど、他社にない独自サービスを展開しています。

私はCRM・顧客満足推進部 部長として、コールセンターやバックオフィス業務における、クレジットカードに関する注文や問い合わせなどのリクエストの管理・監督、品質向上の業務を行っています。

Pay TG導入のきっかけ

2018年6月1日施行の改正割賦販売法により、クレジットカード加盟店にカード情報の適切な管理や不正使用への対策を講じることが義務づけられ、通販事業者にはPCI DSSへの準拠、もしくはカード情報の非保持化の対策が求められることになりました。しかし多くの通販会社にとって、技術的なハードルやコストなどを考慮するとPCI DSS への準拠は極めて困難です。当社においてもカード情報非保持化への対応を進めるためにPay TGを採用しました。

なお、私は、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)クレジット部会 部会長を務めており、改正割賦販売法の運用に関わる「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画」を策定するクレジット取引セキュリティ対策協議会のメンバーに加わったことから、加盟店の実際の運用とセキュリティのバランスを考慮した上で、カード情報非保持化をどう実現するかについて提案する立場でもありました。

協議会に参加した際、すぐに感じたのは、通販ではECを想定した議論のみが行われ、非対面での電話やFAX、はがきで注文を受け付ける通称「MOTO(メールオーダー・テレフォンオーダー)」での利用シーンが全くと言って良いほど考慮されていないことでした。現場を知る者として強い危機感を持ち、通販事業者の実情に関して提言。最終的にクレジットカードを利用して電話やFAX、はがきで受注を行う場合のカード情報非保持化の手段として、大きく分けてIVR決済、タブレットとともに、Pay TGを含めた外付け端末方式がソリューションとして認められることになりました。

Pay TGを選んだ理由・メリット

事業者の立場からいうと、カード情報非保持化にどのような技術が使われているかということは大きな問題ではなく、改正割賦販売法の技術的指針である実行計画に基づいた高いセキュリティレベルを担保したうえで、現場のオペレーターが使いやすい仕組みであることが大切です。その点で、Pay TGは、非対面加盟店の現場に寄り添い、一から開発していることに強みがあると感じます。
一つ例を挙げると、テンキーでカード番号を入力した際の表示があります。
他社サービスの場合「*****」といったように、入力したカード番号が見えないようマスクされるケースがありますが、Pay TGは、確定されるまではカード番号がそのまま画面に表示される仕様となっています。

店舗販売ではアスタリスクでマスクされるとセキュリティレベルは高くなりますが、電話注文においてはカード番号を聞き取り、場合により録音までしているためマスクしても大きくセキュリティレベルが上がるわけではありません。むしろ、高齢のお客様が多い電話注文の場合、聞き間違い、言い間違いが多いという特徴があるため、数字がマスクされてしまうと復唱ができず、間違ったカード番号を入力してしまい、クレームに発展してしまうことがあります。現場ではそれを回避するため、カード番号をメモしてから入力するなどの別運用が発生しがちであり、かえって情報漏洩リスクが高まる可能性があります。
また、大変細かい点ですが、カード番号を入力する際、4桁ずつ分けて表示し、間違いが発生しにくくする工夫をしている点もポイントです。こうした現場で使いやすい配慮を実装している点でも現場向きのシステムだと思っています。

導入時・導入後のサポートについて

協議会の議論でも何度も申し上げたことなのですが、一口に通販業者と言っても現場ごとに実情が異なり、百社あれば百通りの運用の仕方があります。そのため、パッケージされたシステムに業務を合わせるのは難しいものです。

Pay TGは、非対面の多くの現場に適したサービスであるとともに、オペレーターの意見を取り入れながらバージョンアップに生かしてくれる姿勢に好感が持てました。

例えば導入当初、現場から「キーが押しづらい」という意見が出ました。誤入力を減らすためにキーを固くしているのですが、オペレーターからは指が疲れてしまうという意見がありました。リンクはその声を聞き取り、画面をタッチするソフトキーを実装してくれました。こうした顧客の声をすぐさま取り入れ、反映させることができる自社開発体制も他社にはない点だと思っています。

今後の業界の展望、リンクへの要望

非保持化のソリューションはそれぞれ一長一短があり、事業者の特性に合わせ選んでいくものですが、その中でPay TGは、今後より重要な位置を占めていくことになるのではないかと考えています。ソリューションが良い意味で集約されていく中で、スケールメリットやさらに便利な機能が追加されていくことを期待しています。

情報漏洩などの事故は、通信販売全体のイメージに影響します。クレジットカードセキュリティについては業界全体として取り組まなくてはならない課題であり、私も自社のみならず社会のためにお役に立てるよう、様々な提言をしていきたいと考えています。リンク様とは、当社の業務改善はもちろん、通信販売業界をより良くするため、有益な意見交換をするパートナーとしてこれからも一緒に活動していきたいと考えています。
取材日:2019年7月 所属、業務内容、写真、インタビュー内容は取材当時のものです。

企業情報
社名オルビス株式会社
設立1984年 6月
代表者代表取締役社長 小林 琢磨
本社所在地東京都品川区平塚2-1-14
事業内容化粧品、栄養補助食品、ボディウェアの企画・開発および通信販売・店舗販売
U R Lhttps://www.orbis.co.jp/

1987年に通信販売事業をスタートし、2000年から「オルビス・ザ・ショップ」を出店。
立ち寄りやすい商業施設内を中心に、現在は全国に113店舗を展開しています。
2018年に新たなブランドメッセージ「ここちを美しく。」を掲げ、自然でその人らしい本来の美しさを引き出すビューティーブランドとして進化し続けています。