
決済の効率化と安全性向上を軸に、国内外のビジネスや生活をスムーズにつなげることを目指すYTGATE。同社の高橋 祐太郎 氏、山本 泰大 氏、南 将史 氏に、PCI DSS 準拠を促進するクラウドサービス「PCI DSS Ready Cloud」の導入のきっかけや導入後の効果などについてお聞きしました。
決済の効率化と安全性向上を軸に、国内外のビジネスや生活をスムーズにつなげることを目指すYTGATE。同社の高橋 祐太郎 氏、山本 泰大 氏、南 将史 氏に、PCI DSS 準拠を促進するクラウドサービス「PCI DSS Ready Cloud」の導入のきっかけや導入後の効果などについてお聞きしました。
高橋氏:株式会社YTGATEは、「売れたのに売れていない」をなくす、不正対策の専門企業です。
国内外のクレジットカード決済承認率や否決要因、不正リスクを可視化し、加盟店の売上最大化・安全対策・LTV向上・顧客体験の質的改善を一気通貫で支援しています。
具体的には、ECの決済承認率を改善することと、不正検知をして不正利用を防止するサービスを展開しています。
特に、2025年3月からの3Dセキュア必須化に伴い、決済承認率の低下や不正利用の課題が顕在化する中、リアルタイムなデータ分析を通じてこれらの課題を可視化し、EC加盟店の売上機会損失を最小限に抑え、安心かつ効率的な決済環境の構築を支援しています。
高橋氏:YTGATEの代表取締役です。創業メンバーとして、代表を務めています。現在の役割としては、セールスで売上をしっかり作っていくこと、新しい事業を立ち上げて軌道に乗せていくところに注力しています。特に「YTGuard」のようなソリューションをマーケットに広げるためのプロジェクトマネジメントも担当しています。
山本氏:CFOとCSOを担当しています。CFOとしては、会社の財務や管理全般を統括しています。CSOとしては、経営戦略策定が主な仕事で、会社の進むべき道や戦略の選択肢を提示し、意思決定をサポートしています。
南氏:CTOとして、技術全般を担当しています。YTGuardの開発や運用、障害対応はもちろん、社内のITやパソコンのトラブル対応もやっています。今後はYTGuardだけでなく、新しいサービスの技術面も責任を持って進めていきます。
高橋氏:「YTGuard」が準拠対象です。このサービスは、EC加盟店向けSaaSとして、決済の可視化、不正検知、カゴ落ち防止を一括で提供します。
一般的な不正検知ソリューションは高コストかつ開発に時間を要しますが、YTGuardは低コストかつ迅速な導入で、中小から大規模なEC加盟店が簡単に不正対策を導入し、効果を確認できる設計です。
EC加盟店、ECカート事業者、決済代行会社
業種・規模を問わず、ECで商品を販売する全加盟店
開発不要・最短即日導入:管理画面設定やscriptタグ設置のみで利用開始ができ、既存決済フローを変更せずに迅速な効果を実現
PCI DSS、ISMS27001、プライバシーマークに準拠し、業界最高水準の安全な決済基盤を提供
初期費用無料、月額数万円から利用可能
決済承認率向上やカゴ落ち防止による高い費用対効果を実現
高橋氏:当社が提供するYTGuardは、EC加盟店の決済データを分析し、不正検知とカゴ落ち防止を同時に実現するサービスです。
主な課題は以下の2点でした。
カード会員データの取り扱いリスク
不正検知の精度を高めるため、クレジットカード番号などの機密情報を扱う必要があります。そのため、サービス公開の初期段階からPCI DSS準拠のセキュリティ水準を備えたシステム構築が不可欠でした。
短期間でのリリースと人員制約
スタートアップとして少人数で運営しており、短期間でのシステムリリースとPCI DSS準拠を同時に達成する必要がありました。セキュリティ対策とプロダクト開発を並行して進めることが最大のハードルでした。
南氏:クレジットカード情報を扱うのはシステムとして非常にリスクが高く、慎重な運用が求められます。PCI DSSの知識を持った人材は市場に少なく、ゼロからインフラを設計するのは困難でした。私自身、運用経験があったため、ある程度対応できましたが、短期間で自社のみで実現するのは現実的ではありませんでした。
高橋氏:創業時から決済領域での不正対策ソリューションを提供する方針で、PCI DSS準拠は必須と考えており、起業直後に国内のクラウド型PCI DSS支援サービスを調査しました。
ネット検索で「簡単にPCI DSSに準拠できるソリューション」を調べた際、御社のサービスがヒットし、問い合わせしたのがきっかけです。まだ具体的なシステムが決まっていなかった時期でしたが、親身に対応いただいた印象が強く、実際に開発が始まった際に再度連絡させていただきました。
南氏:私がジョインした時には、既にPCI DSS Ready Cloudの採用が決まっていました。
ただ、PCI DSS準拠がこれほど短期間で実現できるとは思わず、その利便性には驚かされました。スタートアップにとって非常に魅力的な選択肢だと感じましたね。
高橋氏:セキュリティ要件を満たしつつ短期間で導入・運用可能なソリューションをリサーチ、検討しました。
オンプレミス構成も一時検討しましたが、インフラ構築や継続的な保守運用に必要なリソースと時間が、スタートアップの当社にとって現実的ではありませんでした。また、PCI DSSの専門性が高く、一般的なクラウドインフラだけでは要件を満たせない点も課題でした。
そして、私たちが最も重視したのは「伴走支援の質」でした。
単なるツール・サービス提供ではなく、導入から設定、運用、監査支援まで、専任の担当者が継続的に支援してくれるかどうか。そうした点を軸に比較を進めた結果、選択肢はごく限られたものになりました。
高橋氏:必要なツールに加え、準拠支援・コンサルティングが充実しており、PCI DSS準拠に必要な要素がすべて揃っていた点です。短期間で信頼性を担保しながら導入できるのはPCI DSS Ready Cloudだけでした。
PCI DSS準拠が必要であれば、何回行ったとしても同じ判断をします。決済・クレジットカード情報を扱うビジネスにとって、「PCI DSS Ready Cloud」は唯一の選択肢ですね。
山本氏:実際にプロジェクトを進めてみた所感としても、自社で構築した場合の想定コストは3倍から4倍まで膨れ上がる可能性があったと思います。
高橋氏:YTGuardのリリースとPCI DSS準拠を短期間で同時に実現する必要がありましたが、PCI DSS Ready Cloudがなければ達成は不可能でした。準拠支援・コンサルティングと組み合わせて提供いただくことで、設立間もないスタートアップが、実質CTO1名という制約の中で、わずか9ヶ月でのPCI DSS準拠という異例のスピード実現を達成できました。
また、準拠支援チームから提示された「100チケット」程度の項目を、バックログで体系的に管理することで、「ほぼマネジメントしなくて良かった」です。効率的なプロジェクト進行いただきました。
南氏:開発と準拠のプロセスを並行で進めるのは非常に難易度が高く、PCI DSSの専門知識やインフラ構築を自社だけで賄うのは現実的ではありませんでした。PCI DSS Ready Cloudの支援により、セキュリティ要件を満たしつつ、スケジュール通りにリリースできたことは、事業立ち上げの大きな成功要因でした。
高橋氏:PCI DSS Ready Cloudの評価を9点満点で以下のようにまとめます。
提案:8点
タイトなスケジュールの中、限られた予算やリソースに寄り添った柔軟な提案をいただきました。特に、見積もりやスケジュールの調整で真摯に対応いただき、スタートアップにとって心強いサポートでした。
サービス内容(構築):8点
短納期の要望に応え、システム構築を間に合わせていただきました。オフショア開発でのコミュニケーションの難しさもカバーし、迅速かつ丁寧な対応でプロジェクトを推進できました。
サービス内容(運用):6点
PCI DSS審査のエビデンス作成に時間を要した点が課題でした。マニュアルの提供やエビデンス取得の代行があれば、さらに運用負荷が軽減されると思います。
エンジニア対応:8点
PCI DSS Ready Cloudとは直接関係しない、弊社のAWS環境に関する複雑な質問にも真摯に対応いただき、技術面での信頼感がありました。
サポート対応:8点
問い合わせに親身で迅速な回答をいただき、非常に安心感がありました。特にサポートデスクの献身的な対応は、サービスの品質を象徴しています。
高橋氏:YTGuardは決済承認率の向上と不正対策をSaaSで支援し、「Payment Optimization & Beyond」をミッションに掲げています。日本特有の決済環境で、安全かつスムーズな取引を実現し、EC加盟店の売上向上を目指します。具体的には、不正検知の精度向上、加盟店のセキュリティ強化、最適な決済ルート選択を可能にするソリューションを展開し、決済の最適化を追求していきます。
南氏:不正検知や運用の面倒な部分を徹底的に簡素化し、システム担当者が簡単に使えるソリューションを目指します。直感的で使いやすいUIを提供し、クリックだけで運用できるようなサービスを開発していきたいと考えています。
山本氏:ベンチャー特有の不安定さを排除し、事業の安定成長を支える基盤を構築します。決済最適化やセキュリティ強化の戦略を数字で裏付け、持続可能な成長を可能にする経営基盤を整えていきます。
取材日:2025年7月 所属、業務内容、写真、インタビュー内容は取材当時のものです。
社名 | 株式会社YTGATE |
---|---|
代表者 | 代表取締役 高橋祐太郎 |
本社 | 東京都中央区新富1-8-2 Grandir Ginza East 5F |
事業内容 | 決済関連コンサルティング事業、決済承認率改善事業、YTGuard事業 |
U R L | https://ytgate.jp/ |
「決済を最適化し、世界をつなぐ」ことで、
人とビジネスがより自由に、
より大きく発展できる社会を目指します。
決済が持つ力を最大限に引き出し、
新しいチャンスが生まれ続ける未来を実現します。